第11回キャリア甲子園の優勝・準優勝は帝塚山学園!プレゼン発表内容を紹介!

帝塚山学園(奈良)が第11回キャリア甲子園でDiscovery部門の優勝・準優勝を果たしました。

キャリア甲子園は高校生が企業の課題に挑戦するビジネスコンテストとして注目されていて、帝塚山学園の快挙は全国的にも大きな話題となっています。

今年度のキャリア甲子園には全国から11,595名、3,136チームの高校生が参加し、そこから予選を勝ち抜いた60チームが準決勝大会に出場しました。

帝塚山学園からは、3チームが準決勝に出場しましたが、審査の結果決勝に進出する10チームに、準決勝に出場した3チーム全てが選出されました。

決勝進出は倍率300倍以上、そこに1校から3チームが選出されるのは大会史上初の快挙です!

この記事では、キャリア甲子園での帝塚山学園のプレゼン内容を詳しく紹介するとともに、学校の特色や著名な卒業生についても掘り下げていきます。

目次

第11回キャリア甲子園の優勝・準優勝は帝塚山学園

帝塚山学園(奈良)が第11回キャリア甲子園でDiscovery部門の優勝・準優勝を、Innovation部門でも「セプトプレス」チームが決勝進出を果たしました。

日本生命代表の「ロックロック」チームが優勝を、アート引越センター代表の「もこもこバイターズ」チームが準優勝を獲得した帝塚山学園。

さらにInnovation部門でも「セプトプレス」チームが決勝進出を果たすなど、圧倒的な存在感を示しました。

優れたプレゼン力と発想力で審査員を魅了した帝塚山学園の活躍について詳しく紹介します。

https://twitter.com/Career_Koshien/status/1900870399770128523
帝塚山学園(奈良県奈良市)

男女併学の私立中高一貫校です。バランスのとれた人間を育てる「力の教育」を実践しています。

山本潤子(シンガーソングライター)
谷村奈南(歌手)
福元英恵(アナウンサー)

Discovery部門優勝日本生命代表「ロックロック」

「ロックロック」チームは中学1年生から仲良し4人組です。チーム名の由来は4人の年齢を合計すると66になることから名付けられました。

メンバーたちは「これまで何度も困難を乗り越えてきたので、どんな課題にも立ち向かえる自信がある」と語っています。

 日本生命から提示されたテーマ「誰もが、ずっと、安心して暮らせる社会の実現」

このテーマに対し、「ロックロック」チームは独自の視点で課題に取り組みました。

安心して暮らせる社会を実現するには、不安要因を取り除く必要があるという考えから、文部科学省が発表している「安心・安全を脅かす要因」である犯罪・自然災害・事故の中から、自然災害に焦点を当てました。

防災アンケートでは90%以上の人が自然災害に不安を感じており、「備え方がわからない」「トラウマがある」「建物の倒壊が心配」などの声が多く聞かれました。そこでチームは、被災後も人々が安心して暮らせるシステムの構築を目指しました。

実際に石川県輪島市の被災地でボランティア活動を行い、現地で2つの問題を発見しました。

1.物の廃棄問題:損害保険の契約プロセスにより、被災した店舗からまだ使用可能な商品や地域の特産品が廃棄されてしまう現状

2.地震の風化:被災地の社会福祉協議会からは「地震のことを忘れられているのではないか」「能登地方のことをもっと知ってほしい」という切実な声

これらの課題解決のため、「ロックロック」チームは損害保険会社と連携した環境と地域のためのオンラインショッピングサービス「BUYBYE」を提案しました。このサービスは以下の3ステップで構成されています。

【BUYBYE】の3ステップ
  1. 引取・保管:日本生命が契約を結んでいる約27万の企業から廃棄予定の商品を5万人の職員が分担担当し、ニッセイロジスティックスセンターで管理
  2. 販売:AIによる商品査定を行い、適正価格で販売
  3. 購入・募金:商品名検索だけでなく地域名検索も可能で、購入代金の50%が被災地へ、残り50%はユーザーが応援したい地域へ寄付される

「BUYBYE」の特徴は、日本生命グループの強みである全国展開と多数の契約者数を活かしたスケールの大きさです。

全国108支社、営業職員数5万人のネットワークを活用した掲示板では、被災地の現状や募金後の様子を掲載し、ユーザーに安心感を提供します。

収支計画では9年目に損益分岐点を迎える見込みですが、保険未加入率の高い10代から30代をターゲットにすることで、新規契約者数の増加も期待できます。

アンケート調査では保険加入時の決め手として「安心感」「信頼感」が上位を占めており、「BUYBYE」の運用を通じて日本生命のブランド価値向上にも貢献します。

「無駄」を「価値」に変え、廃棄物を活かして人々の力で新たなつながりを生み出す「BUYBYE」は、新しい共助の形を提案し、「誰もが、ずっと、安心して暮らせる社会」の実現を目指しています。

抽象的なテーマに対して、ここまで具体的に提案することは相当な調査や議論を重ねたことが伺えますね。

Discovery部門準優勝アート引越センター代表「もこもこバイターズ」

帝塚山学園(奈良)の「もこもこバイターズ」チームが、アート引越センター代表としてDiscovery部門で準優勝に輝きました。

 アート引越センターが提示するテーマ「『あったらいいな』をカタチにしてきたアート引越センターの経営資源を活かし、世代や性別を越えてみんなが心躍る’人生の節目をお手伝いする新ビジネス’の提案」

https://twitter.com/Career_Koshien/status/1899242265698324932

提案したのは廃校を活用した第2の家「令和の町家」です。

平安時代の商人のための店舗だった「町家」にちなみ、廃校を改築して幼老複合施設と商業施設を組み合わせた画期的な空間を創出するというビジョンを打ち出しました。

学校は誰もが通った経験のある場所であり、地域住民に親しみがあるため、現代版の「町家」としてふさわしいと考えたのです。

「令和の町家」の特徴は以下の4つの独自性にあります

「令和の町家」の特徴

1.愛着のある自宅を再現

アート引越センターの強みを活かし、ラジオなどの小物から本棚やドレッサーといった大型家具まで、入居者の思い出の品を運び込むことができます。デイサービス利用者へのアンケートでは50%以上が「老人ホームに入りたくない」と回答し、その理由は「住み慣れた空間で暮らしたい」「愛着ある自宅で最期を迎えたい」「環境の変化に耐えられない」といった声が多く聞かれました。アートプランニング(株)による建物の改築・改修技術を活用し、無機質な施設ではなく、自宅のような空間を再現します。

2. 入居者の自立支援

同じ建物内に商業施設を設けることで、入居者が自分の足で買い物に行ける環境を整えます。自分の好きな時に好きなものを選んで購入する日常的な活動が、認知症予防や歩行機能の維持、そして何より入居者の生きがいにつながります。

3. 働く両親への最大限のサポート

追加料金で3歳以上の子どもに夕食を提供するサービスを実施します。他の保育園との大きな違いは、「令和の町家」内の商業施設の飲食店からお弁当を提供してもらえる点です。保護者は子どもの夕食を気にすることなく働くことができます。さらに、体育館には遊具を設置し、雨天でも遊べる室内公園として開放します。

4. 世代を超えた交流の場を提供

フリースペースを設置し、年齢・性別を問わず集まって時間を共有し、趣味の話やコミュニケーションをとることができます。また、学校のプールを民間のプールとして、音楽室を映画館として開放するなど、地域交流の場としても機能します。

「令和の町家」は、園児にとっては高齢者との関わりを通じて幅広い知識を得る場となり、高齢者にとっては子どもたちとの交流によって生活の質(QOL)の向上につながります。

収支計画では、ローン返済中でも年間1.1億円、返済後は年間3.1億円の利益が見込まれています。また実施したアンケートでは、約8割の人が「令和の町家」に行きたいと回答しており、高い需要が期待できます。

「人生100年時代」といわれる現代において、「令和の町家」は高齢化や廃校の問題を解決しながら、女性の社会進出を支援し、新たなコミュニティの形成に貢献します。

違う世代の人々の「第2の家」となる可能性を秘めていますね!

Innovation 部門決勝進出たかの友梨ビューティークリニック代表「セプトプレス」

帝塚山学園(奈良)の「セプトプレス」チームが、Innovation部門でたかの友梨ビューティークリニック代表として決勝進出を果たしました。

たかの友梨ビューティークリニックのテーマ
「たかの友梨ビューティークリニックの資源を活かし、全ての世代や性別を超えて未来のエステティックに求められる『幸福感のある美と癒し』の新事業」

彼らが提案したのは、ジュエリーとスマートデバイスを融合させた画期的なウェアラブルデバイス「プラセンス」です。たかの友梨が展開するジュエリーブランド「エカテリーナ」のデザイン性を維持しながら、最新の健康・美容測定機能を搭載した新しいコンセプトの製品となっています。

「プラセンス」は従来のウェアラブルデバイスが抱える問題点

  • 通知音が煩わしい
  • データの見方が複雑
  • デザイン性の低さ
    を解決しつつ、美と健康を同時に管理できる利点があります。
「プラセンス」の主な機能
  • 従来のウェアラブルデバイス機能:睡眠測定、心拍数、病気検出、歩数測定、ストレスチェック、血中酸素測定、生理予測
  • たかの友梨独自の美容健康機能:肌の水分量・油分量・弾力性・肌の白さ測定、血糖値、血圧、体温、摂取三大栄養素分析、髪質チェック、消費摂取カロリー計算
  • 体温によるチャージ機能

「プラセンス」最大の強みは、たかの友梨が長年のエステ事業で蓄積した2300万人分のカウンセリングデータを活用した専用アプリにあります。

このアプリでは肌の悩みや健康面についての質問回答が得られ、最適なエステやコスメの選択、生活習慣のアドバイスまで提供します。さらに、アプリからショッピングやエステの予約も行えるよう設計されています。

三者のメリット
  1. たかの友梨:エカテリーナのデザイン普及、エステとコスメの売上アップ
  2. 顧客:スマートウォッチの問題を解消しつつ、美容や健康管理を一元化
  3. 社会:美容や健康管理をストレスなく行えるため、人々の生活の質向上に貢献

販売戦略としては、大学生以上の比較的高収入層をターゲットに、指輪本体価格にプラス5万円で提供します。

サブスクリプションモデルも導入し、指輪代込みで月1万円や月5千円のプランを設定することで、買い切りよりも気軽に購入できる選択肢を提供。

たかの友梨会員には基本プランを無料とし、どの機能を選ぶかは自由に設定できる柔軟性も魅力です。

家族向けサービスも充実させ、「プラセンス」買い切りプラン購入者の家族にはエステ初回50%割引、その後10%割引を適用することで、男性や高校生以下、高齢者も利用しやすい環境を整えます。

収支計画では、初年度で約8.5億円の利益を見込み、まずは東アジアから展開をスタートし、将来的には欧米市場への進出も視野に入れています。

たかの友梨の強みである「挑戦力」「華やかで高品質なブランドイメージ」「確かなカウンセリング力と教育システム」「エカテリーナ」「エステ」「コスメ」の総合力を活かした事業を提案しています。

まさに未来のエステティックの形ですね!

まとめ

第11回キャリア甲子園において、帝塚山学園が素晴らしい成績を収めました。

まとめ
  • Discovery部門「ロックロック」チームが日本生命代表として優勝
  • Discovery部門「もこもこバイターズ」チームがアート引越センター代表として準優勝
  • Innovation部門「セプトプレス」チームがたかの友梨ビューティークリニック代表として決勝進出
  • 帝塚山学園の快挙は、生徒たちの創造力と企画力の高さを証明
  • 各チームが提案した革新的なアイデアは企業からも高い評価を受け、実社会での課題解決に大きく貢献する可能性がある
  • 帝塚山学園の生徒たちは、プレゼンテーション能力も非常に高く、審査員を魅了する発表だった
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