「きさらぎ駅」は、オンライン上で広く知られることとなった実際には存在しない鉄道駅で都市伝説の一つです。
2004年、当時人気の匿名掲示板「2ちゃんねる」に投稿された内容が、この謎めいた駅の物語の始まりとなりました。
では、その「きさらぎ駅」について詳しく見ていきましょう!
都市伝説きさらぎ駅のモデルは遠州鉄道さぎの宮駅
きさらぎ駅は、実際にある静岡県浜松市の遠州鉄道さぎの宮駅と言われています。
2004年1月8日の寒い冬の日、「はすみ」と名乗るネットユーザーが匿名掲示板「2ちゃんねる」に異様な体験を投稿しました。通常ならばすぐに到着するはずの電車が、20分以上も延々と走り続ける中、見知らぬ「きさらぎ駅」に辿り着いたというのです。
この謎めいた体験談の中で語っている「新浜松発の電車」という手がかりから、遠州鉄道の路線であると推測されています。
新浜松駅から約20分の距離にあり、平仮名を含む駅名という特徴から、「きさらぎ駅」の正体は実在する「さぎの宮駅」ではないかという説も、ネット上でひそかに語り継がれています。
映画「きさらぎ駅」の撮影場所
インターネット上で有名な都市伝説「きさらぎ駅」を映画化した作品が2022年6月3日に公開されました。
この映画は遠州鉄道のさぎの宮駅を参考に制作され、一人称視点で撮影されているのが特徴とのことです。
撮影場所は、浜松の遠州鉄道「さぎの宮駅」のみならず、長野県上田市の上田電鉄の八木沢(やぎさわ)駅でも撮影されていました。
では、その撮影場所について調べてみました。
撮影場所①静岡県浜松市の遠州鉄道「さぎの宮駅」
夜間、実際に電車を走らせて撮影していたとのことです。
さぎの宮駅情報
所在地 | 浜松市中央区大瀬町417-2 |
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営業時間 | 7:10-20:30(日祝日8:10-20:30)窓口締切り時間(11:54-12:26) |
電話番号 | 053-433-9128 ※電車到着時等電話に出られない場合もあり。 |
タクシー乗り場 | 駅西側送迎スペース |
撮影場所②長野県上田市の上田電鉄八木沢(やぎさわ)駅
もう一つのロケ地である長野県上田市の上田電鉄八木沢駅。
上田電鉄は「上田駅」~「別所温泉駅」までを結ぶ鉄道。終点の「別所温泉駅」は観光地でもあり風情ある駅です。
所在地 | 〒386-1327 長野県上田市八木沢 |
電話番号(上田駅) | 0268-22-3612 |
連絡時間 | 平日7:30〜20:00 土休日8:00〜18:00 |
「きさらぎ駅」は実話なのか?
「きさらぎ駅」は、ネット掲示板「2ちゃんねる」のスレッド内に投稿された都市伝説で登場する、実際には存在しない鉄道駅です。
「きさらぎ駅」の物語は、インターネット上の多くの怖い話と同じように、創作されたお話だと考えられています。
「2ちゃんねる」の内容
では、「2ちゃんねる」の内容を簡潔に説明します。
「きさらぎ駅」伝説は2004年1月8日の深夜に誕生しました。
発端は「2ちゃんねる」で、「はすみ」という名前の女性が投稿した不可思議な体験談でした。彼女は実況形式で自身の怪奇体験を書き込んでいったのです。
その始まりは、
98:気のせいかも知れませんがよろしいですか?(2004/01/08 23:14:00)
101:先程から某私鉄に乗車しているのですが、様子がおかしいのです。(2004/01/08 23:18:00)
通常ならばすぐに到着するはずの電車が、20分以上も延々と走り続ける中、見知らぬ「きさらぎ駅」に辿り着いたといいます。
路線図にも時刻表にも記載のないその駅で下車したはすみは、そこで恐ろしい現実に直面します。
人影一つない景色が広がるばかりで、自分がどこにいるのかすら判断できない状況に陥いりました。
やむを得ず徒歩での脱出を試みますが、次々と説明のつかない怪奇な出来事に見舞われます。
そして最後に「バッテリーがピンチなので、」という言葉を残し、投稿は突如として途絶えてしまいました。
なぜ「きさらぎ駅」が大きな反響を呼んだのか?
SNSブームも1つの理由です。
きさらぎ駅の都市伝説は一般のネット利用者に広く知られるものとなりました。
2011年には、まとめサイトに「はすみ」を名乗る人物が「生きて帰ってきた」という投稿を行い、再び注目を集めました。その後、TwitterやYouTubeでもきさらぎ駅に関する投稿が増え、多くの人が目撃談や体験談を投稿するようになりました。
2014年には誰かがGoogleマップ上の筑波大学構内に「きさらぎ駅」を登録し、実在しない駅への経路を検索できるようになるというユニークな出来事も起きました。
体験談の舞台となった遠州鉄道本社にも問い合わせが寄せられるようになるほどの反響でした。
きさらぎ駅の謎に関する様々な解釈
「きさらぎ駅」についてはいくつか解釈されています。
①現実世界とは別の世界説
②都市伝説として長く語り継がれている4つの理由
専門家による民俗学的な視点や、神隠しのような怪奇現象など様々な解釈があるようなので紹介します!
現実世界とは別の世界
当初は静岡県内の駅だと考えられていましたが、次第に日本全国から目撃情報が寄せられるようになりました。
多くの報告で時間の乱れやGPSの不具合が報告されたため、現実世界とは別の世界にある駅だという考えが広まりました。専門家たちは、このような不思議な駅を「異界駅」と呼んでいるそうです。
初期の頃は、きさらぎ駅は恐ろしい場所として語られ、一度降りたら戻れないと考えられていました。
しかし、その後「煙を出せば戻れる」といった脱出方法が語られるようになり、さらには駅で出会った優しい人々に助けられて帰ってきたという話も登場したようです。次第に怖い話から、不思議な世界の物語として語られるようになっていきました。
都市伝説としてのきさらぎ駅
都市伝説として、「きさらぎ駅」の物語は長く語り継がれています。
オカルト研究家の山口敏太郎氏は、この都市伝説が長く語り継がれている理由として、実在する場所を上手く取り入れた設定と、駅という身近でロマンチックな舞台設定を挙げています。
専門家たちは、この物語が人気を集めた理由をそれぞれ次のように分析しています。
怪奇スポット研究家吉田悠軌氏:現代人が架空の場所にロマンを求めるようになった表れ
現代日本の怪奇体験談に詳しい作家朝里樹氏:鉄道を通じて異世界へ迷い込むという、現代版の「神隠し」物語
民俗学者飯倉義之氏:ネット上で多くの人が参加できる「物語作り」として発展
2ちゃんねるの事情に詳しいジャーナリスト井上トシユキ氏:ミステリー仕立ての話に誰でも参加しやすい形式だった
まとめ
この記事では、実際には存在しない鉄道駅で都市伝説の一つ「きさらぎ駅」について調べてみました。
- 都市伝説きさらぎ駅のモデルは静岡県浜松市の遠州鉄道さぎの宮駅
- 2004年1月8日、「はすみ」と名乗るネットユーザーが匿名掲示板「2ちゃんねる」に異様な体験を投稿したのが始まり。
- 映画「きさらぎ駅」の撮影場所は、静岡県浜松市の遠州鉄道「さぎの宮駅」と長野県上田市の上田電鉄八木沢(やぎさわ)駅。
- 「きさらぎ駅」の物語は、インターネット上の多くの怖い話と同じように、創作されたお話だと考えられている。
- SNSブームも反響の1つの理由。
- 「きさらぎ駅」については専門家によっていくつか解釈がある。
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